2025年11月4日にAmazonがSP-APIの利用を有料化するというアナウンスを出したのはご存知でしょうか?
内容は
2026年1月31日より、SP-APIを使用しているすべてのサードパーティ開発者に年間サブスクリプション料金(1,400米ドル)が発生します
というものです
これはAmazonの大口出品者でAmazonの商品販売に関係するサービスを利用している人には他人事ではありません
サービスの多くがSP-APIを使用しているからです
出品者が利用しているサービスの例を挙げると
- 注文情報・発送先情報などを取得する
- 商品ごとの売り上げ数を集計する
- 商品購入者へメッセージを送信する
- 他者の商品の売れ行きを調べる
などがあります。
物流業者に商品の代理発送をお願いしている人も、このようなサービスを利用していることになります
$1,400は大きな金額ですからサービスを提供している多くの業者はこのコストを自分で吸収できないため、サービスの料金を値上げすると予想されるのです
またはサービスを終了するところも出てくるでしょう
SP-APIについて
SP-APIについて簡単に説明すると、
SP-APIは、Amazonの大口出品者であればプログラムを使うことでAmazonのサーバーからデータを取得したり送信できる、このための方法です
SP-APIを利用するためにはプログラムを作る必要があります
SP-APIは以前はMWSという名前でした、どちらも今まで無料で使用することができました
(正確には大口出品者である必要があるため、毎月のセラーセントラルの月額費用は必要です)
プログラムを作成することができない・時間がない出品者の方は、業者が作成し提供している「SP-APIを使うアプリケーション」のサービスを利用してきたのです
SP-APIが無料で使える1つの条件
AmazonからSP-APIの有料化についてのアナウンスの中にはこのような一文があります
SP-APIを直接利用している出品者とベンダーには追加料金は発生しません。
これは「自分のセラーアカウントのためにSP-APIを使うのであれば無料」ということ、
他の出品者のためにSP-APIを利用する場合には年間使用料$1,400を事前に一括で支払う必要があります
言い換えると
自分でサーバを用意して、サーバにアプリを設置して、自分のセラーアカウントのために使う、
これが無料で使える条件です
4つの選択
SP-APIを使えば、手作業で行っていたことをほぼ自動化することで作業時間を大幅に短縮できます
逆に今までサービスを使ってきたことを止めることは、作業時間が増える・できなくなることがでてきます
サービスを利用することで結果的に収益が増えると判断できるのなら、
出品者は今までと同じようにSP-APIを使うことを考えたほうがいいでしょう
今後もSP-APIを使っていくためには4つの方法が考えられます、それぞれにメリット・デメリットがあります
-
1.利用しているサービスを継続する
- 良い点:今までと同じ使い方を続けることができます。
悪い点:料金がこれまでよりも高くなるのでコストが増えます、将来再び年間使用量が上がればさらに費用が増えるかサービスが終了するかもしれません
同じようなサービスを他社でみつけたとしても、どこも同じような金額でしょう -
2.自社でアプリケーションを開発する
- 良い点:希望する機能を好きなように検討できます、開発後のアプリの使用量は無料です
悪い点:開発するには人件費と時間がかかります、サーバとアプリの管理・メンテナンスは自分で行う必要があります -
3.アプリケーションの開発を外注する
- 良い点:希望する機能を好きなように検討できます、自分たちの時間はあまりとられません、開発後のアプリの使用量は無料です
悪い点:安くても10数万円以上の費用がかかります、4つの方法のうち1番コストがかかります。追加したい機能がでてきた場合には追加費用がかかります、サーバとアプリの管理・メンテナンスは自分で行う必要があります -
4.今利用しているアプリを自分で運用する
- アプリを一から開発するのではなく、今利用しているサービスのアプリを自分で用意したサーバで運用できるように変更する、という方法です
サービスの業者との相談次第で実現が可能です
良い点:開発にかかる費用は一番安く・かかる時間も短い、今までと同じ使い方を続けることができます。料金は1の方法よりも安いかもしれません
悪い点:自分でサーバを用意して自分でアプリを管理するため、サーバとアプリの管理・メンテナンスは自分で行う必要があります
まとめ
SP-APIを使用したサービスが今後料金アップまたは終了するとわかった場合、出品者は今のうちから今後について検討が必要です
方法1「利用しているサービスを継続する」以外の選択は、自分でサーバを用意して維持・管理が必要です。
さらにサーバの使用料金、ドメインの使用料金がかかります(年間で15,000円以上)
いずれの方法でもコストはこれまで以上にかかり事も想定して、今後の商品の価格の変更や他の費用の節約の検討が必要になってきます